W= H=

イベントevent

21.5.24 ボッチャ│Boccia

2021.5.25 -[イベント

高齢者向けのコロナワクチン接種が青森県でも進んでおり、医療・福祉施設の従事者に対するワクチン接種も順次行われるようです。
さて、私は小心者。むかし、献血や採血の折には倒れたことがあり、どことなく注射針に対する苦手意識が強いのです。そんなわけですから、ワクチン接種が始まったばかりの頃は、欧米でのワクチン接種の映像をみて、怖気づいておりました。
あのキランと光る、長い注射針が怖かったのです。
身体に針が刺さる「ぷすっ」という音が聞こえてくるような気さえして、肝っ玉の小さな私は、その痛さについて、勝手な想像を膨らませていたのでした。


注射の時は、どんな感じがするのだろう、痛みはどれくらいで治まるのだろう。

そんな不安を介護助手の方に漏らした、ある寒春のこと。その方は言いました。

「誰もが体験したことのないものだから、わたしも不安がないといえば嘘になる。けれど、少しの間、痛みを我慢して、それでひと安心できるのなら、ワクチン接種を受けるに越したことはないんじゃないかな」

このような話を聞いて、背中がそっと、優しく押されたような気がしました。自然と恐怖が消えていきました。
手前味噌な話になってしまいましたが、当事業所の職員の言葉に、頭の下がる思いが致しました。

余談でございますが、誤字・脱字には注意したいものです。ひとつ文字が違うだけで、全く違った意味になったり、ということにもなりかねないのですから。
 
「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。
 小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間程腰を拔かした事がある。」
と、始まるのは夏目漱石著の『(ぼっ)ちゃん』

当デイサービスにて、先日、ちょっとした大会を行いましたのは「ボッチャ」であります。「ボッチャ」と『坊ちゃん』、一文字違うだけで、こうも違う意味になってしまう、という、そのごくごく一例でございます。
こちらの競技、最近では大手建設会社の大東建託株式会社さんによるCMでの紹介もあり、知名度がぐっと上がったような感じがします。もともと運動能力にハンディキャップのある方々のスポーツとして発展したということもあり、老若男女問わず参加し、楽しめるという競技です。勝負も僅差で、白熱していました。

話がまた逸れてしまいますが、さきに上げた夏目漱石の『草枕』という作品には、次のような一節がございます。
()に働けば(かど)が立つ。(じょう)(さお)させば流される。意地を通せば窮屈(きゅうくつ)だ。
 とかくに人の世は住みにくい。」

まだまだ若輩者の私ですが、人生の紆余曲折、酸いも甘いも経てきた人生の先達者としてのデイサービスの利用者さまに接し、お話しを伺っていると、自然と尊敬に似た感情が芽生えていることに気づくことがあります。

末筆でございますが、季節の変わり目ですので、お風邪など召されませんようお気をつけ下さい。   

written by 菊池